ggiizzmmoo: おしゃれな男・尾形光琳───────────────────────────────────────────────────────────────弁当箱は竹皮でいいと思ってい
ggiizzmmoo: おしゃれな男・尾形光琳───────────────────────────────────────────────────────────────弁当箱は竹皮でいいと思っている。軽いし、吸湿性・通気性を兼ね備えそのまま捨てても土に戻る。なにより他者を威嚇しない佇まいがいい。少し過ぎてしまったが花見弁当の事を考えていた。重箱に整然と詰められた、フルパワーの料理もいいけれど自分で作るにしても、他人の物を頂くにしても何か面倒くさいなと思うのは私だけではない(はずだ)。「いいネ!」を必ず押さなければいけない重圧を感じながらの食事は喉越しが悪い。アヤメの絵が並んだ日本画「燕子花屏図屏風」を描いた尾形光琳も花見弁当には竹皮がいいと思っていたようだ。当時、絢爛豪華な弁当が並ぶ大名花見に招かれた光琳が取り出したのは、粗末な竹の皮に包まれた握り飯だった。スノッブな人達がその粗野なふるまいを酷評する中光琳は握り飯をほおばり、食べ終えた竹の皮を川面に捨てる。すると竹皮の内側には見事な漆絵(蒔絵とも)が施されていたという。彼の振る舞いにはスノビズムに対する痛烈な批判も込められていたのではと思うが、自分の中では最も洒落た弁当箱として長年君臨し続けている。 -- source link